腰部脊柱管狭窄症
この症状の特徴は長い距離を続けて歩くことができず、 歩行と休息を繰り返す間歇性跛行(かんけつせいはこう)です。
腰部脊柱管狭窄症では腰痛はあまり強くなく、安静にしている時には ほとんど症状はありませんが、背筋を伸ばして立っていたり歩いたりすると、 ふとももや膝から下にしびれや痛みが出て歩きづらくなります。
しかし、すこし前かがみになったり、腰かけたりするとしびれや痛みは軽減されます。 進行すると、下肢の力が落ちたり、肛門周囲のほてりや尿の出がわるくなったり、逆に尿が漏れる事もあります。
脊柱管狭窄症の場合、レントゲン所見では脊柱生理的弯曲は腰椎の過前弯(反り腰)になっている人が多いのです。
その理由は姿勢不良による腸腰筋、大腿筋膜張筋、大腿直筋、ハムストリング筋、背筋などの収縮機能の低下(拘縮)によるものです。
過剰な前弯(反り腰)と関連性の高い筋肉は腸腰筋の中の大腰筋です。大腰筋がギュッと固く短縮(硬結)すると腰椎を引っ張って前弯(反り腰)を徐々に形成していきます。
大腰筋
大腰筋は、『インナーマッスル』という言葉と共に、今や多くの人にその名前を知られていますが、大腰筋は、姿勢を正しく保つためにも大変重要な筋肉です。
その大腰筋が拘縮すると、脊柱管内の狭窄部位で神経を圧迫する力が姿勢変化に伴って増減します。例えば体幹を前屈(ベンチに座るとか、しゃがんだ状態)すると症状が軽快します。
ということは、治療のポイントは過剰な前弯(反り腰)を改善すると症状の痛みは徐々に回復することになります。
要するに「反り腰」(姿勢不良)の原因である「筋肉(特に大腰筋)」を正常化すれば、脊柱管狭窄症も改善するということです。
では100人治療すれば100人全て良くなるのか?と言えば嘘になります。
脊柱管狭窄症で良くなる可能性には条件があります。
それは筋肉が関与している脊柱管狭窄症だということです。
どういうことかと申しますと、
お風呂に入れば痛みやしびれが軽減するとか、ストレッチなどをすると痛みやしびれが軽減する、といった場合は筋肉に関与している脊柱管狭窄症です。だから良くなる可能性が十分にあります。
しかし、お風呂に入ろうが、ストレッチをしようが痛みやしびれは軽減しない場合は手術を勧めています。
※膀胱、直腸障害、排尿障害、陰部障害…オシッコの感覚が分からない、尿漏れをするなど
このような症状の方は、速やかに病院の指示に従うことをお勧めします。